この記事では、ジブリ映画『耳をすませば』と『猫の恩返し』の2作品の繋がりや、バロンが登場する本当の理由について考察します。
「耳をすませば」と「猫の恩返し」は、「耳をすませば」が先にできた作品です。
「猫の恩返し」は、「耳をすませば」の主人公・雫が書いた小説という位置づけになっており、スピンオフ作品のようなものです。
その作品こそが、「猫の恩返し」を制作する際に柊あおいさんが宮崎駿監督から依頼されて執筆した『バロン 猫の男爵』なのです。
猫の恩返しのストーリーを、雫が書いた物語という設定にしたことについて、作者の柊あおいさんは
「雫は中学生の時にバロンの話を書いたけれど、力が及ばなかった」
「そのあとに勉強して、またきっと描き直すに違いないと思っていた」
とインタビューで語っています。
この裏設定により、
『猫の恩返しは「雫が書いた物語が動き出した」という特別感を感じられる!』
というファンの気持ちをより動かす作品となったのです。
『耳をすませば』あらすじ
読書が大好きな中学生の少女・雫。
学校図書館カードでいつも目にする天沢聖司という人物が気になり始めます。
そんな中、電車の車内で出会った猫に導かれ、地球屋という不思議な店に迷い込みます。
そして、雫は1人の少年と出会います。
その少年は、バイオリン職人になるという夢を抱いていました。
その少年に刺激され、雫は小説を書き始めます。
監督 | 近藤喜文 |
脚本 | 宮崎駿 |
原作 | 柊あおい「耳をすませば」 |
主題歌 | 本名陽子「カントリー・ロード」 オリビア・ニュートンジョン「Take Ne Home, Country Rooads」 |
『猫の恩返し』あらすじ
ごっく普通の女子高校生・ハル。
憧れの男の子が別の女の子といい感じになっているのを目撃してしまい、すっかり落ち込んでいました。
そんなハルは、たまたまトラックに轢かれそうになった1匹の猫を助けます。
その猫が実は「猫の国」の王子ルーンだったことから、ハルはお礼として猫の国へと正体されます。
そこでハルは、猫たちから盛大な歓迎を受け、いつしか「つらい現実より、猫になって楽しく生きたい」と願うようになるのです。
そこへ、猫の男爵・バロンが現れます。
監督 | 森田宏幸 |
脚本 | 吉田玲子 |
原作 | 柊あおい「バロン 猫の男爵」 |
主題歌 | つじあやの「風になる」 |
「耳をすませば」内のバロンは、雫が電車の中で出会った猫・ムーン(猫の恩返しのムタ)に導かれて訪れた地球屋に置かれていた紳士風の人形でした。
のちに、雫が執筆する作品にバロンが登場するという流れになります。
作品自体は「耳をすませば」が先なのですが、「猫の恩返し」が出来上がることを想定して、バロンが配役されたかのような、不思議な設定になっています。
バロンは雫が書いた『猫の恩返し』という作品のために登場したといっても過言ではないですね。
設定を知れば知るほど奥が深くて何度も見返したくなってしまいますね!
「男爵=バロンっていうのがスッと出てこない人がいるっていう視点の方が新鮮だ。」
「バロンって「耳をすませば」に同一名・同一姿のキャラいるよな?となったが 当然ではあるけどやっぱ作者同じなのね。」
「耳をすませばの子が書いた小説って設定なのか〜いいな。」
「やっぱり耳をすませばのあの猫ってバロンなのか。」
耳をすませばと猫の恩返し、その2作品が関連していると気付いていない方もまだまだ多いようですね。
作品の裏話を知ってから2つの作品を見比べてみると、また新たな繋がりを知ることができそうです♪
この記事では、ジブリ映画『耳をすませば』と『猫の恩返し』の2作品の繋がりや、バロンが登場する本当の理由について考察しました。
・「猫の恩返し」は「耳をすませば」の主人公が書いた物語
・バロンは置物として登場したがのちに物語の主人公となった
宮崎駿監督の世界観はやはり素晴らしいですね。
見ている景色の広さに感銘をうけます。
そして、宮崎駿監督からバロンの物語の執筆を依頼された柊あおいさんもすごいですね!