赤ちゃんの出産を終えると、間髪入れずやってくるのが「授乳」です。
母乳にするか、ミルクにするかそれとも混合にするか…妊娠中に出産プランとして聞かれることが多いと思います。
でも、初めての出産でどれを選ぶべきかなんて決めるのは難しいですよね?
そこで今回は、母乳育児で悩むママに向けて母乳マッサージ(母乳相談)についてご紹介します。
くれぐれも「頑張りすぎなくていいんですよ」ということを忘れないでください!!
※筆者は最終的に完ミになりました。

私は漠然と「母乳が出るならやっぱり母乳育児かなぁ」と思い、出産直後は母乳育児を選択しました。
ところがいざ授乳してみると「出ない・吸えない・のけぞる」の3拍子で本当に大変な思いをしました。
「隣のお母さんはたくさん出てるし赤ちゃんも飲めてるのに…」そんな思いで出産~退院までの5日間を過ごし帰宅。
助産師さんから「出る出る!大丈夫!」と言われては諦めるわけにもいかないけれど自信は無くす一方で…。
母乳マッサージや母乳相談を選択する人は私のように「母乳が出ない」「母乳の量を増やしたい」というだけでなく、「母乳が出すぎて乳腺炎になった」という方もいるそうです。
母乳相談(マッサージ)は目的も手段も様々ですので、一度で自分に合うところに出会わないこともあります。
その時はすぐに別のところに変えてもいいんだということを念頭に置いて、楽な気持ちで臨みましょう♪(筆者は3ヶ所頼りました)
母乳マッサージを検索するとまず出てくるのが「桶谷式」というキーワードです。
「母乳は出るものであり、出せるようにしなければ」という思いで試行錯誤の末、お母さんに苦痛を与えず乳房の調子を整える独自のマッサージ方法
引用:公益社団法人桶谷式母乳育児推進協会
つまり母乳で育てたいママのためのマッサージということです。
もちろん乳房のトラブル全般の悩みは相談できます。
特筆しておきたいのは、この「桶谷式」は比較的食事制限や母乳で育てるという強い気持ちを求められることが多く、挫折するママも少なくないと聞きます。(私もその一人です。)
実際のところ、各桶谷式母乳相談室の先生次第なところはありますので、「混合だったけど桶谷式で量が増えてよかったよ!」という知人もいましたのですべてがそうというわけではありません。
私は出産をしたクリニックで「桶谷式直接授乳訓練用乳首」というものを借りて使用していたため、漠然と「桶谷式っていうのが有名なのかなぁ」という感覚でした。
前章では桶谷式母乳マッサージについて説明しました。
筆者は出産の翌日から授乳訓練を始めたのですが、私の乳頭が要因なのか赤ちゃんが全く乳頭を探せずにいました。
それどころか高さも合わず、フットボール抱き、横抱き、縦抱き、どれも赤ちゃんに馴染みませんでした。
決定的な原因が分からないまま、搾乳→哺乳瓶から授乳→直母の数をこなしましたが赤ちゃんは激しく泣いてのけぞるばかり。
赤ちゃんが母乳を飲めるようになる前に退院したため、自宅でも授乳の訓練は続き心身ともに疲弊しきっていました。
産後の検診で助産師さんに相談して、まずはクリニックの母乳外来を受診することにしました。
それから産後2か月頃までに、あらゆる母乳相談を経験しましたのでここからは体験談をご紹介します。
- 出産したクリニックの母乳外来
- 桶谷式の母乳相談室
- 母乳マッサージ専門助産院
筆者は北九州市門司区の産婦人科いわさクリニックで妊婦検診~出産を迎えました。
自宅から近く通いやすいうえ、なんといっても出産したクリニックなので見守ってくださった助産師さんや母乳測定をしてくれていた栄養士さんがいて安心なことが、最初に母乳マッサージを受けるきっかけとなりました。
産後2週間頃からのスタートで、ペースは1~2日に一度でとりあえず1週間という感じでした。
栄養士さんからおすすめされた助産師さんを指名でお願いしたところ、マッサージをしてもらうと本当に母乳の出がよくなるんです。
そしてできる気がして帰宅するのですが、結局一人になるとうまくできなくて振り出し。睡眠不足もあってメンタルは弱っていきます。
5回ほど母乳外来に通ったのですが、助産師さんの「あなたは母乳出るから大丈夫!せっかくここまで頑張ったんだから諦めなくていい。」という言葉がだんだん辛くなり母乳マッサージを受けている最中にボロボロと泣いてしまいました。
それでも「泣いてどうするの~がんばれるよ!」という言葉に逃げ場がない気がして、別の場所を探すことを決意しました。
その助産師さんは全力を尽くしてくれたし、前向きに励ましてくれているのはわかったのですが、母乳が出ないことって本人にしかわからない辛さがありますからね。
ただ、乳房は確実に柔らかくなっていたので収穫はありました!
金額的にも継続的に通いやすいと思うので、出産したクリニックの母乳外来は取っ掛かりとしてはおすすめです。
実施日 | 第2・第4木曜日 13時~14時(担当助産師さんの都合が合えばこの限りではない) |
料金 | 1,000円/30分(他院で出産の方は初診5,000円、再診4,000円) |
所在地 | 〒800-0038 北九州市門司区大里原町10-10 |
電話番号 | 093-371-1131 |
出産したクリニックの母乳外来を中断する決意をした私は、「今度こそ成果を出したい」という思いで、通える距離の母乳マッサージを探しました。
「桶谷式」という聞いたことがあるワードと「母乳育児相談室」ということで、悩みも共感共有してもらえそうなので北九州市小倉北区のおかべ母乳育児相談室を選びました。
場所はマンションの1室で、バスタオルとフェイスタオルを持参します。
物腰の柔らかい先生で、まずは赤ちゃんへの授乳の様子を見てもらい、ミルク量や授乳頻度などをヒアリングされ授乳の態勢などを工夫していきます。
ところが私が困惑したのはここからです。
生後3週間のこの頃、産院の指導により1回量80ml~100mlのミルクを飲ませていました。
それを聞いた先生に「ミルクを飲ませすぎ!ミルクを飲んでたら母乳を飲まなくなる。おなかがいっぱいで赤ちゃんが泣いてかわいそう!」と言われ驚愕しました。
産院と全く逆のことを言われるとどちらが正しいのか分からなくなりますよね?
私は1回量を40mlぐらいに減らすように言われ、母親である私自身の食事も「ごはん(おにぎり)とお味噌汁で十分」と言われました。
加えて、我が子は夜間ぶっ通しで寝ることもあったため、私も6時間ぐらい寝る日があることを話すと「お母さん寝すぎ。」と言われました。
出産を終え体力も衰えている中、1週間ほどは肉魚を極力取らないように、パンやデザートも食べないようにしましたが、精神的にもとてもつらかったです。
ミルク量を減らしたことで赤ちゃんが頻繁に泣くようになり体重が増えなくなったため、罪悪感に駆られてこちらへの通院も断念することにしました。
1か月検診の時、この期間だけ体重の増加が急激にゆるやかになったため助産師さんから「なにかありましたか?」と指摘を受けてしまいました。
私のように「授乳ができない」状況に悩んでいるママさんにとっては、少々厳しめに感じるかもしれません(涙)
ですが、「絶対母乳で育てたい!」という目標のしっかりした方にはおすすめです!
受付時間 | 月~金曜日<9:00~16:00> 土曜日<9:00~12:00> 日・祝<休み> |
料金 | 初診5,000円、再診3,500(休日、時間外は2割増) |
予約方法 | 電話予約 |
所在地 | 〒803-0843 北九州市小倉北区金鶏町1-27 コープ野村到津102号 |
電話番号 | 093-651-4883 |
おかべ母乳育児相談室は北九州市の産後ケア事業の制度を利用すると助成が受けられます。

2か所の通院を経ても順調に授乳ができるようにならず、母乳育児を諦めかけていましたが、1か月検診のときにお話しした助産師さんの紹介で葉っぱ助産院に最後の望みをかけることにしました。
母乳マッサージの一般的な料金は5,000~6,000程度が多いのですが、葉っぱ助産院では母乳マッサージを受けると8,000円と、比較的料金設定が高めです。
場所は広い古民家でとても明るい先生が迎えてくださいます。
付き添いも可能で、施術する隣の部屋で待機してもらうことが出来ます。私は大体母に付いてきてもらっていました。
なんといっても大きな特徴は「何を食べてもいい」ことです。食事制限はありません。
母乳マッサージは片側30分ほどで、じっくり時間をかけてほぐしてくださいます。
授乳の状況を見ていただき、「授乳がトラウマになっているのかも」ということで数日間は授乳をお休みして搾乳に専念することを提案してくださったり、授乳姿勢を工夫したりといろいろな手段を一緒に考えてくださいました。
出産から約1か月、授乳ができないことに悩み続けて精神的にも肉体的にもつらかったので、親身になって施術をしていただき世間話をしてくれたりして本当に心が救われました。
結果的に、こちらに約1か月(計7回ほど)通いましたが、娘が生後2か月の日をもって断乳を決断し、最後に一度断乳のためのマッサージを受けに行きました。
料金は高めですが、母乳のことで精神的ダメージの大きかった私にとっては寄り添ってくれることが何よりのケアとなりましたので、母乳や育児の悩みを抱えきれなくなったママにはぜひおすすめしたいです。
診療時間 | 9:00~17:00 (日曜・祝祭日定休) |
料金 | しっかりチェック(母乳マッサージ付)8,000円 ※定期サポート(回数券)あり |
所在地 | 〒802-0061 北九州市小倉北区三郎丸1丁目1-34 |
電話番号 | 093-921-5320 |
持ち物 | フェイスタオル4枚、着替え(母乳がついてもいいTシャツなど)、母子手帳 |
葉っぱ助産院は北九州市の産後ケア事業対象外ですが、母乳マッサージは医療費控除の対象になります。
今回は母乳相談(マッサージ)について体験談を含めてご紹介しました。
筆者は結果的に母乳育児を軌道に乗せることが出来ずに、生後2か月で完ミを選択しましたが全く後悔していません!!
授乳しようと抱っこすると激しく泣く我が子を見ているのはつらかったですし、自分自身ずっとピリピリくよくよしていたと思います。
断乳をしてからは、授乳と搾乳に費やしていた時間寝ることができましたし、なにより心に余裕ができました。
子どもは熱を出すことすらほとんどなく元気に育ってくれていますので、「母乳じゃないと健康が心配」ということはありません。
母乳で悩んでいるママさんは、一人で抱えずに、ぜひ母乳相談(マッサージ)を活用してみてはいかがでしょうか?